Top

学名で見るラブバード

我が家で暮らすコザクラインコは、学名で見るとAgapornis roseicollisとなり、ボタンインコ属(Agapornis)の中のひとつの種(roseicollis)であることがわかります。通常、学名はこのように二名法といって属と種を併記して表します

一般的に生き物は分類学上、階層的に、界(かい)、門(もん)、綱(こう)、目(もく)、科(か)、属(ぞく)、種(しゅ)、亜種(あしゅ)と階層的に細分化され、ボタンインコ属の場合はこのようになります

動物界 - 脊椎動物門 - 鳥綱 - オウム目 - インコ科 - ボタンインコ属
Kingdom Animalia Phylum Vertebrata Class Aves Order Psittaciformes Family Psittacidae Genus Agapornis

ただし、国際動物命名規約で決められているのは科、属、亜種のみですので、界〜目は正式な学名ではなく分類学上のものとなります。また、近年Sibley & MonroeによるDNAハイブリダイゼーション法による系統分類を採用する分類もありますが、まだ市民権を得ていないようなので割愛します

オウム目はヒインコ科(Family Loriidae)、オウム科(Family Cacatuidae)、インコ科(Family Psittacidae)に分かれています。それぞれ生物学上、骨格や概観の特徴などで分類されています。共通の特徴として上の嘴(切歯骨)が下に向かって大きく湾曲している、対肢足といって足の指が前二本後二本であるといった特徴があります(科を分けないとする説もあります)。

各科の特徴を簡単にみると、ヒインコ科は果実食で舌先がブラシ状、上嘴の裏がヤスリ状でないなどの特徴があり、それ以外で冠羽のあるものがオウム科、ないものがインコ科だと判断してよさそうです

なお、オウム目に属するほとんどの種がワシントン条約(CITES)の規制対象となっていますが、コザクラインコ、オカメインコ、セキセイインコは付属書に記載がなく対象となっていません。機会があったらワ条約のページも作ってみたいと思います

Genus Agapornis は現在ではボタンインコ属と称されていますが、昭和初期の資料を見るとサウシインコ(相思鸚哥)属となっています。英名のlovebirdを直訳したものと思われますが、管理人の個人的趣味的には古い呼称のほうが好みですね〜♪

では、ボタンインコ属にはどんな種があるかを見てみたいと思います

  学名 和名 英語 生息地域
亜種
  Agapornis taranta   ハツハナインコ Abyssinian Lovebird,
Black-winged Lovebird
エチオピアの高地
  Agapornis swindernianus
swinderniana
  ワカクサインコ Black-collared Lovebird,
Swindern's Lovebird
リベリア、南ガーナ
  Agapornis swindernianus
swinderniana
zenkeri
zenkeri
(カメルーン・ワカクサインコ?) Cameroon Black-collared Lovebird カメルーン・ガボン、東西中央アフリカ、コンゴ
  Agapornis swindernianus
swinderniana
emini
emini
  Emin Black-collared Lovebirds 中央コンゴ、ウガンダ
  Agapornis fischeri   ルリゴシボタンインコ Fischer's Lovebirds タンザニア
  Agapornis canus
cana
  カルカヤインコ Grey-headed Lovebird,
Madagascar Lovebird
マダガスカル
  Agapornis canus
cana
ablectanea
ablectaneus
  Blue-washed Grey-headed Lovebird 南西マダガスカル
  Agapornis personatus
personata
  キエリボタンインコ
キエリクロボタンインコ
Masked Lovebirds 北東タンザニア
  Agapornis lilianae
personata

ilianae
ボタンインコ Nyasa Lovebird,
Lilian's Lovebird
南タンザニア、北西モザンビーク、東ザンビア、北ローデシア
  Agapornis nigrigenis
lilianae

nigrigenis
クロボタンインコ Black-cheeked Lovebird 南西ザンビア
  Agapornis roseicollis   コザクラインコ Peach-faced Lovebird
Rosy / Rosey-faced Lovebirds
南西アフリカ
  Agapornis roseicollis catumbella (アンゴラ・コザクラインコ?) Angola Peach-faced Lovebirds アンゴラ南部のBenguella地区
  Agapornis pullarius
pullaria
  コハナインコ Red-faced Lovebird,
Red-headed Lovebird
西アフリカ
  Agapornis pullarius
pullaria
ugandae
ugandae
(ウガンダ・コハナインコ?) Uganda Red-headed Lovebird 南西エチオピア、南東スーダンのキゴーマ地域、タンザニア

亜種に関しては和名が不確かですので、追々補完していきたいと思います

さて、この表を見ると、

  • ボタンインコ属には9種ある
    ・ ハツハナインコ (初花鸚哥)
    ・ ワカクサインコ (若草鸚哥)
    ・ ルリゴシボタンイコ (瑠璃腰牡丹鸚哥)
    ・ カルカヤインコ (刈萱鸚哥)
    ・ キエリクロボタンインコ (黄襟黒牡丹鸚哥)
    ・ ボタインコ (牡丹鸚哥)
    ・ クロボタンインコ (黒牡丹鸚哥)
    ・ コザクラインコ (小桜鸚哥)
    ・ コハナインコ (小花鸚哥)

    ※種名にはカタカナを使うことになっているのでカッコ書きの漢字は参考です
     
  • ワカクサインコには亜種が二種ある
     
  • カルカヤインコ、コザクラインコ、コハナインコには亜種が一種ある
     
  • ボタンインコは独立した種という説とキエリボタンインコの亜種という説がある
     
  • クロボタンインコは独立した種という説とボタンインコの亜種という説がある

といった面白いことがわかってきます

細かな考察はもう少し調べてからまとめたいと思います

 

無印ボタンインコって?(多忙のため作成途中です)

学名から分類した和名にある「ボタンインコ」ですが、"ただ"のボタンインコというのはあまり目にしないような気がします。実のところキエリクロボタンインコ・ボタンインコ・クロボタンインコは見かけが似ているので、ペットショップなどでも区別されずに売られていることが多いようです。このため鳥飼いさんのあいだでもかなりの混乱があるとも聞きます。実際、日本国内では純粋のキエリクロボタンインコ・ボタンインコ・クロボタンインコ はいないという話もあります 。ペットショップさん(問屋さんも含めて)や飼い主さんの無知がいくつかの種を潰しつつあることは非常に残念です。いったん種間雑種を作成してしまうと、その子孫は薄まることはあるとはいえ異種のDNAが未来永劫残ってしまうことを心に留めておくべきでしょう

 
  和名 学名 (属名AgapornisA.と省略)          
  ボタンインコ A. lilianae Shelley, 1894 13.5cm 35g      
  クロボタンインコ A. nigrigenis Sclater 1906 13cm        
  キエリクロボタンインコ A. personatus Reichnow 1887 14.5cm        

さて、食玩のチョコエッグにもなったヤマブキボタンインコですが、分類学上はどこにもいないようです。チョコエッグではキエリクロボタンインコの後にヤマブキボタン・ブルーボタン・ルチノーなどと併記されていますのでキエリクロボタンインコの品種として扱われているようです

ペットショップなどでヤマブキボタンとして売られているのは、もしかしたら分類学上のボタンインコなのではないでしょうか? もしくはキエリクロボタンインコと他のボタンインコとの種間雑種、例えばボタンインコやルリコシボタンインコとの種間雑種であればキエリクロボタンよりも頭部の色が薄い個体が作成されてしまい、これをヤマブキボタンインコと呼んでいるのではないでしょうか

以下未完、作成中